人生の「残高余命」をリアルにする-NISA上限・高齢期医療費・年金開始を組み込んだ最強の資産推移シミュレーターv2への進化

残高余命最新版 https://app.zanyome.com/
未来のお金に対する漠然とした不安。それを数字として可視化し、自分の人生をコントロールする「納得感」に変えるために、私はあるツールを自作しました。
そもそも、なぜ私が「残高余命」という少し尖ったテーマでシミュレーターを作るに至ったのか。その生々しい開発の舞台裏は、こちらの記事に詳しくまとめています。 誰が作ったかもわからない「綺麗ごとばかりの人生シミュレーター」に絶望し、プログラミング完全素人の私がAIを相棒にして「自分専用の資産推移シミュレーター」を構築した経緯を書いています。
https://zanyome.com/article?id=386a6e98-9201-8073-b010-d19254b6a575
この前提を踏まえた上で、今日お話ししたいのは一度ツールを自作してしまうと、今度は「現実の容赦なさ」をもっと正確に反映したくなってしまうのが人間の性(さが)というものです。
「NISAの非課税枠を超えたらどうなる?」 「歳をとったら医療費ってガッツリ増えるよな?」 「年金の受給を遅らせたら、資産の寿命はどう伸びる?」
私自身は60歳からの早期年金受給を計画しています。しかし世間では65歳が一般的なのかも知れません。私の友人のエッジもその一人です。 エッジについてはここ
https://zanyome.com/article?id=386a6e98-9201-8056-8a3c-e78ed4360891
この数日間、私は再びAIを徹夜のパートナーに迎え、脳内の懸念をすべてコードに叩き込みました。そうして完成したのが、「残高余命v2」です。
今回は、このバージョン2で実装した「容赦ない3つの現実」と、それによって可視化された人生の引き際(ダイ・ウィズ・ゼロ)のリアルについてお話しします。
🛠️ 何が変わったのか? v2で実装した「容赦ない3つの現実」
まずは百聞は一見にしかず。新しくなったシミュレーターのURLがこちらです。
https://die-with-zero-jp-v2.zandakayomei.workers.dev/
今回のアップデートで追加したのは、既存のマネー系アプリが「あえてボカしている」生々しい数字の壁です。スライダーを動かすだけで、以下の機能がリアルタイムにグラフを書き換えます。
① 年金受給開始年齢のスライダー追加(60歳〜70歳可変)
v1では一律で設定されていた年金の受け取り開始タイミングを、スライダーで自由に動かせるようにしました。 日本の年金制度は、受給を遅らせる(繰下げ受給)と1ヶ月ごとに0.7%増額される仕組みです。これを70歳まで我慢したとき、前半の「無年金期間の資産の削れ方」と、後半の「ブーストされた年金による資産の持ちこたえ方」が視覚的に一発で理解できるようになりました。
② NISA枠「1800万円」超えへの20%自動課税
これが今回の目玉であり、最もこだわったロジックです。 世の中の投資シミュレーターは「一律で非課税」として計算しているものが多すぎます。しかし現実は違います。新NISA投資枠の上限である1,800万円を超えて運用で得た利益には、容赦なく「20.315%」の税金がかかります。 v2では、運用金額が1,800万円を超えた瞬間に、システムが自動で利益の20%を裏で差し引いてグラフを描画します。これを入れた瞬間、右肩上がりだった資産の伸びがガクンと現実的なラインに落ち着くのを見て、私は変な汗が出ました。
③ 高齢期における「医療費増額」スライダー
人間、歳をとれば必ず身体がガタつきます。75歳、80歳になったとき、若い頃と同じ生活費で暮らせるわけがありません。 そこで、「何歳から医療費・介護費が増えるか(開始年齢)」と、「毎月どれくらい増額するか(月2万〜10万円)」の2つのスライダーを用意しました。更に80歳以降はこの金額が1.5倍になるようにしています。これにより、人生の終盤に突如として訪れる「出費の山」を正確にシミュレートできます。
📉 数字をシミュレートして見えた、恐ろしいほどの「納得感」
この3つの「現実」を組み込んで自分の数字を入力してみたところ、信じられないほどの恐怖と、同時に深い「納得感」が押し寄せてきました。
例えば、「7,000万円の資産を3%で運用しながら、年間350万円を切り崩す」という設定。一見、余裕で逃げ切れるように見えます。しかし、ここに「75歳から医療費が月5万円増額される」「NISA上限を超えた利益に課税される」という変数をオンにした瞬間、90歳時点の残高予測が数千万円単位で吹き飛ぶのです。
逆に、「年金の受給を68歳まで2年遅らせるだけで、資産の枯渇年齢が5年も後ろに伸びる」といった、攻めの防衛策も一瞬で見えてきます。
既存のシミュレーターが「見せてくれなかった暗部」を自分で可視化したことで、初めて「自分が何歳まで、いくら使って遊んでいいのか」の境界線がクッキリと引かれました。これこそが、私が求めていた『DIE WITH ZERO(ゼロで死ね)』の真髄です。
🎛️ スライダーの入力・操作手順
- 開始資産(一番上の横長スライダー)
- 年間支出
- 年金(月額)
- 運用割合
- 運用利率
- 年金受給開始年齢 (★v2追加機能)
- 医療費増額:開始年齢 (★v2追加機能)
- 医療費増額:月額 (★v2追加機能)
👀 入力した後にチェックするポイント
スライダーを動かすと、画面上の4つのカードとグラフがリアルタイムに自動計算されます。
- 「年間取り崩し」: 支出から年金収入を引いた、毎年財布から減っていくリアルな金額です。
- 「90歳時点残高」: 課税や医療費増額をすべて耐え抜いたあとの、人生の最終残高です。ここが赤字にならず、適度な金額(ダイ・ウィズ・ゼロを目指すなら極力少なめ)に落ち着くラインを探るのがこのツールの醍醐味です。
- 「資産枯渇」: もし資産が途中で尽きてしまう場合、ここに「〇〇歳」と赤字で非情な現実の年齢が表示されます。
まずは現在のリアルな予定数値を入れ、そこから「運用利率を上げたらどうなるか」「年金を遅らせたらどうなるか」をゲーム感覚で調整してみてください!
💡 AIという相棒が、プログラミングの苦労を「思考の時間」に変えてくれた
今回のv2へのアップデートも、私は1行も自分でコードを書いていません。「こういう税金の計算ロジックを入れて」「このスライダーと連動させて」とAIに日本語で指示を出し、吐き出されたファイルをWEBにアップロードしただけです。
かつてなら、専門の業者に数十万円を払うか、自分が何ヶ月もプログラミングを勉強しなければ作れなかったシステムが、いまや個人の思いつきから数時間で形になります。
テクノロジーがプログラミングの苦労をゼロにしてくれたおかげで、私は「どんな人生を歩みたいか」「何歳でどんなリスクに備えるべきか」という、本当に大切な【本質的な思考】にすべての時間を使うことができました。
人生を最後まで謳歌するためにも、自分の「残高」と「余命」を正確に把握しておく。 これは諦めではなく、人生を最後までフルスロットルで楽しむための最高のコンパスです。
もし、ご自身の将来のお金に漠然とした不安があるなら、ぜひ暇つぶしにこのv2シミュレーターを触ってみてください。自分の数字を入れて絶望するか、あるいは新しい希望を見出すか。
あなたの人生の変数は、一体どんなグラフを描くでしょうか。今後も私が独断で欲しいと感じた機能を追加していく計画です。 次回のv3では、さらにディープな現実を組み込んでいこうと考えています。お楽しみに。